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全国群馬県人図鑑-グンマーズ–vol.1 本間和明さん×北村ヂンさん【後編】

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 全国群馬県人図鑑(-グンマーズ-)は、さまざまなフィールドで活躍する県ゆかりの皆さんにお話をうかがう湯けむりフォーラムの新企画。10月28日に行われた、本間和明さんと北村ヂンさんのトークの後編をお届けします。

 理想にとらわれすぎず、程良くハードルを下げることが、この世知辛い世の中を生きのびる術に?? 赤裸々なトークの落としどころに乞うご期待! 視聴者から寄せられたQ&Aも、文末に紹介します。

中編はこちらから

完全にオリジナルなんてありえない?

佐藤 (高校生ゲストの竹内恵さんに)恵ちゃん、せっかくの機会ですから最後にお二人に聞きたいことはありますか?

竹内 はい。アイデアを産み出す時に大事なことは何ですか?

佐藤  ヂンさん、どうですか?

北村 独自色が強すぎるアイデアってウケないんですよね。多分ぐんまのやぼうも、群馬はみんなが知っていますし、“やぼう”は「信長の野望」(※)を意識しています?

※信長の野望 戦国時代をテーマにした歴史シュミレーションPCゲームのシリーズ。一作目は1983年にリリースされた。

本間 いや、偶然(笑)だと思いますが。

北村  経験上、完全にオリジナルなものが自分の中から出てくると思わない方がいいと思っていますね。それは相当難しいから。

本間  無からアイデアをひねり出そうとしてもそんな簡単には出てこないので、アイデアを出す時は思いつくワードをいっぱい書き出して、それを組み合わせながら膨らませていきます。そういうのを何個も作っているうちに、面白いものが出てくる。

北村  出していくワードも限界があるから、例えばしりとりで100個くらい単語を出して、そのうち3つを組み合わせて何かを作ろうとか、よくありますよね。

佐藤  例えば、ミュージシャンが入浴中や散歩中にふとメロディーや詩が浮かんできたなんて話を聞きますけど、アイデアが舞い降りてくることはあるんですか?

本間  寝ようとしているのに寝られないような時、どんどん考えごとをしているうちにアイデアが浮かぶことは確かにある。でもいざ起きてみると…何を考えていたのかもわからない。

佐藤  忘れちゃう(笑)。

本間  忘れちゃう。

北村  夜に浮かんだアイデアがいいと思って書き留めておいて、朝見たら全然面白くないとかもよくあります。あと、完全にゼロからいきなりパッと浮かぶというのは、多分嘘だと思いますね。

本間  パッとは浮かばないと思います。

北村  始めからいろいろ考えていて、まとまってきたタイミングがたまたま風呂とか散歩なのでは?

佐藤  なるほど。常に考え続けていて、たまたまそれが具現化したのが、その時だったと。

本間  具現化するまではぼんやりしていますからね、アイデアって。

興味のないことがアイデアを拓く

佐藤  彼女(竹内さん)がこれからいろんなアイデアを出していくに当たって、何かアドバイスはありますか? 

本間  うーん…。

北村  難しいですよね…。

本間  自分が興味のないことにあえて触れてみることが、一番アイデアが広がるかなと。今、知っているものはもう自分が持っているものだから、自分が知らないもの、興味がないものにいっぱい触れてみるといいかもしれません。

北村  まず、おしゃれなカフェに詳しい人は死ぬほどいるから、おしゃれ路線はライバルが多すぎると思います。例えば、そことスネークセンターみたいな異質なものを組み合わせたアイデアを出す。そういう人はいないから。

※前編で竹内さんが、雑誌に掲載された群馬のおしゃれなカフェに注目していたことを受けて 前編はこちら

本間  そうやって、自分なりの武器をどんどん作っていく。

佐藤  そう考えると好奇心は大事ですね! 

本間  知らない世界は外にいっぱい広がっているので。実際の仕事でもどちらかというと、自分の知らないものをオーダーされることの方が多いんです。

北村  だから、「できまーす!!」と言うことは大事(笑)。本当に無理だなと思ったら断りますけれど、とりあえず「できます」と言っておく。そして、そこから勉強する。

本間  そこから考える。

そこそこ生きのびるために

佐藤  最後に今後について、うかがいたいのですが。これからやってみたいこととかありますか?

本間  えーと、やってみたいことは…、ないです。あと20年ごまかして生きていきたいっていう…

佐藤  ごまかして??

本間  生活に苦労しない程度の収入を得ながら20年持たせて、なんとか年金もらえる老後までごまかしたい。ただNintendoSwitchの次がリリースされると思うので、その対応はやらなきゃいけない。

北村  そこは対応しなきゃ。

本間  だから、やらなきゃいけないことは増えていくかもしれません。今日はとりあえず帰ったら「スプラトゥーン3」をやりたいです。

北村  (笑)。

佐藤  ヂンさんはどうですか?

北村  確かにそこそこ生きのびることは重要ですよね。自分の好きなことしかやりたくなくて、結局食えなくなってやめちゃう人って結構いるんですよ。100%自分が好きでなくても、7割くらい好きなことをやりながらそこそこ食えるのがいいなって思っていると10年、20年と続けられる。最終的に荒野に立っているのは長く続けた人ですからね。パッと目立ってもすぐに消えちゃったら仕方がない。

本間  目立たなくていいから、ひっそり生きていきたいです。

ヂンさんも注目する前橋の遊園地

佐藤  ヂンさん、今追いかけている群馬のネタは何かありますか?

北村  群馬の?(笑)。何かあったと思いますけど…、そう! 前橋の「るなぱあく」は県外の人を連れてくとウケますよ。この前知り合いのアイドルを連れていったら、すごく喜んでいました。安いし。

佐藤  乗り物は50円でしたっけ? 

北村  木馬は10円ですね。そういうライド系遊具は普通の遊園地だと100円玉を入れなければならないところが多いんですが、るなぱあくの木馬は10円だから子連れで行ってもいいですよ〜。他の遊園地だと「1回だけね」と言ったりするけど、もう「いくらでも乗れ」と(笑)。

佐藤  では、その辺りの面白ネタがまた配信されるのを楽しみにしております。ヂンさん、本間さん、今日の感想をお願いできますか? 

北村  シリーズ企画と聞いていますが、この初回ですごくハードルを下げましたね。それほどがんばらなくてもそこそこ楽しく生きられるよ、という姿を見せられたのではないでしょうか。次回以降は、もっとちゃんとした人生の話を聞けると思いますので(笑)。

本間  無事終わって良かったです。

佐藤  ヂンさんも先ほどおっしゃっていましたけど、やっぱり何事も続けていくことは大事ですね。お二人とも素敵な話をたくさんありがとうございました。そして、今日リモートで出演してくれた竹内恵ちゃんも、今後のご活躍をみんなで楽しみにしています。

北村  大手の会社に入りましたら、使ってください。お願いします。

佐藤  みんなで一緒にお仕事できる日が楽しみですね!(笑)。

視聴者からの質問

Q.  進路を決めていく中で群馬という要素は、何らかの影響がありましたか? 

本間  進路に関しては当時の県内に選択肢がなかったので、群馬にいられないという意味では影響がありました。僕はやりたい方向性ははっきりしていましたから、素直に上京できました。

北村  僕が高校生の頃、群馬はAMラジオが入りにくかった。ニッポン放送とかもものすごく苦労して聞いていたので、早く東京に出てクリアな音で聴きたいとずっと思っていました。放送を勉強する学校も群馬にはなかったですし。今ならそんなことはないと思いますけどね。

Q. 高校生の時、地元のことをどんなふうに思っていましたか? 大人になってその時の印象はどう変わっていきましたか?

本間  イオンモール高崎ができて便利だなと(笑)。僕は吉岡町出身ですが、当時は渋川へ行くぐらいしか遊びがなかった。当時はそこしか知らないから何も思わなかったですが、高校生になる頃に上毛大橋(※)ができて、そこからすごく発展したまちを味わえなかった。自分が子どもの頃だったら良かったのに、とは思います。今、高校生だったらずっといるんじゃないですかね。

※上毛大橋 前橋市川原町と吉岡町大久保の間を結ぶ利根川の橋。1997年開通。

北村  僕は全国各地の珍スポットをいろいろ回っているんですけど、全国どこの県庁所在地に行っても、再開発されて、便利になっているなと思う反面、どこも同じになっているなという印象も受けるんですよ。大体決まったチェーン店が入っていて、どこにでもイオンモールがあるから、逆につまらなくなっているのかもしれないですね。その点、前橋市はかなり特徴があると思います。いまだに再開発の余地が残されまくってますから(笑)。

(ライター:岩井 光子、撮影:大井 拓哉)

登壇者

本間 和明 「ぐんまのやぼう」開発者 ゲーム制作会社代表

北群馬郡吉岡町出身。前橋西高卒。
専門学校卒業後、ニンテンドーDSの開発などを行う会社にプログラマーとして入社し、いくつかのゲーム開発に携わる。2010年独立、スマートフォンアプリを大量生産。2012年に「ぐんまのやぼう」を公開。2019年10月28日にはシリーズ最新作「ぐんまのやぼう あなたもわたしもぐんまけん」をNintendo Switch 向けに配信。気づいたらぐんま観光特使。(現在はぐんま特使)

北村 ヂン 「大群馬展」主宰 ライター、イラストレーター

1975年生まれ。前橋高卒。
デイリーポータルZなどのウェブメディアで面白ネタから実験ネタ、ノスタルジーネタまで、広範囲の記事を執筆。仕事も趣味もジャンルの幅が広過ぎて、他人に何をしている人なのか説明するのが非常に難しい。変なスポット、変なおっちゃんなど、どーしてこんなことに……というようなものに関する記事をよく書きます。

佐藤 由美子 フリーアナウンサー/キャリアカウンセラー

NHK前橋放送局キャスターを経てフリーに。NHK、群馬テレビ、とちぎテレビなど関東のテレビ局を中心にリポーターとして活動。その後出産を機に拠点を群馬県にうつす。
5年前に自身の経験をさらに活かすためキャリアカウンセラー資格を取得。若者や女性のキャリア支援のためにセミナーやイベントを開催。
現在はラジオパーソナリティー、イベント司会、キャリアカウンセラー、講師など幅広く活動中。
一女一男の母。

竹内 恵 前橋西高校3年生