- EVENT
赤城 SUN do
–ふたつの空と太陽の道
群馬の歴史とカナダの空をつなぐオーロラ鑑賞
関東平野の終着地点、群馬県前橋市。
前橋市のシンボルであり、群馬県民なら誰もが馴染みのある『赤城山』のふもとで、1日限りの超豪華イベントが開催されます!その名も『赤城 SUN do』。 湯けむりフォーラムでは、『赤城 SUN do』と強力タッグで、このイベントの様子を伝える様々なコンテンツをお届けしていきます。
会場は、赤城山の中腹に鎮座する『三夜沢赤城神社』。荘厳で、神々しい雰囲気を纏う赤城神社の参道を舞台に、カナダ・ホワイトホース上空に現れるオーロラをリアルタイムで映し出すライブ中継、豪華アーティストによる音楽・ペインティング・ライティングのパフォーマンスで、来場者を非日常へ誘います。
【NEW!!】
チケットはソールドアウトとなりましたが、群馬県公式YouTubeチャンネルから、オーロラのライブ配信が決定!カナダ・ユーコンのホワイホースより、オンラインツアーを配信します!
→ 詳細はこちらからCheck!!!
赤城 SUNdo
■日 時
令和4年3月19日(土)
OPEN/START 14:00 CLOSE21:00
■会 場
三夜沢赤城神社
(〒371-0247 群馬県前橋市三夜沢町 114)
■LIVE
【MUSIC】
冥丁、OKI、中納良恵、RAMZA、
YOSI HORIKAWA、HIDEKI UMEZAWA
【LIVE PAINTING】
ハマダラカ
【INSTALLATION】
ミナミリョウヘイ(ANTIBODIESCollective)
【LIQUID LIGHTING】
OVERHEADS(助川貞義)
【COLLABORATION】
深津恵
【MAINVISUAL ILLUSTRATION】
ひらのりょう
【作品展示】
西島雄志(彫刻家)
■Food
薪石窯パンワンネス、baimai、宝日商店、SHINe食堂、株式会社 新井酒店、ワインバールケ、monsoon donuts、手打ちうどん しみずや、PublicLANGOLINO 、珈琲豆焙煎 kaffa、オクトワンブルーイング
■Ticket
3,000 円(中学生以上、前売りのみ)→Thank you!! sold out!!
■お問い合わせ
Akagi Aurora60 実行委員会(担当:柴田)
TEL 027-266-6711
Mail shibata@sowadelight.com
■主催
Akagi Aurora60 実行委員会
■後援
群馬県、前橋市
■協力
Sowa DELIGHT、三夜沢赤城神社
カナダ・ユーコン準州観光局
■制作協力
SPACE SAFARI 、infusion design
『赤城 SUN do』に秘められた物語
満月が冬の終わりを告げ、太陽が陽をのばし始める19日、群馬県前橋市にある三夜沢(みよさわ)赤城神社で、日本の文化を感じながらカナダのオーロラを鑑賞するイベント『赤城 SUN do(サンドゥ)〜ふたつの空と太陽の道〜』が開催される。
テクノロジーが可能にした地球規模の祭典は、カナダ・ユーコン準州ホワイトホースと中継をつなぎ、現地の神秘的なオーロラをリアルタイムで赤城神社の空に灯す。
私たちはこれからどのような未来に向かっていくのだろうか。いま、その問いの答えを選びなおす分岐点に立っている。
人間中心主義による〈進化〉はどのような豊かさをもたらしたであろうか。改めて、私たちは森羅万象とともにある視点で進化を見つめていかなければならない。
軋みをともなって前進する世界の外には、森羅万象がうごめく生〈せい/なま〉のダイナミズムが広がっている。そこでは、誰かのいのちが、他の誰かの糧となり、新しいいのちへとつながっていくいのちの流れがある。そして、私たちはその中を、生きている。
自身の感覚をひらき、いのちの流れを感じる感受性に気づき、立ち返り、その手触りを感じてみる。『赤城 SUN do』に秘められた物語から、その感受性を〈深化〉させる手がかりを届けたい。共生の時代を生きる私たちへのヒカリの灯火となることを願って。
いのちを育む 赤城山
ヒカリへとつづく道、参道へ足をふみいれる。
石畳の階段をのぼり、鳥居を見上げ、一礼をする。よく仕上げられた白木の鳥居は艶やかに、その肌を輝かせて歓迎している。玉じゃりを踏む、リズムが喧騒をはがす。こんこんと湧く神池(しんいけ)が、静けさをうつ。土の香り。太陽は光のつぶを生み、風とともに木の葉をゆらす。
空気が変わる。
ここは、ヒカリが満ちるところ
のびのびと裾野へ引く稜線が関東平野を包み込むように、悠然とたたずむ赤城山。赤城神(あかぎのかみ)が鎮座するその山は、多くの生きものたちのいのちを育んでいる。山は水を湛え、生きものを潤し、木々は枝葉を大きく広げ、太陽の光を恵みにかえる。土はそんな木々を支え、枯れ葉や落ち葉を新しいいのちへと循環させる。
多くのいのちを育む赤城山は、いにしえより山そのものがご神体として崇められてきた。ときにカミナリの権現地として、神が鳴らす「神鳴り」とおそれられる一方で、稲妻は大地を豊かにし水の恵みとともに豊作をもたらした。そのような神がおわす山の中腹に、『赤城 SUN do』の舞台となる三夜沢赤城神社がある。
三夜沢赤城神社は、全国に300社以上ある赤城神社の総本社の一つで、古来より農耕の氏神として信仰されてきた。
生〈せい/なま〉のダイナミズムにみる
いのちの手触り
カナダ・ユーコン準州ホワイトホースは、オーロラが頻繁に発生する地帯「オーロラベルト」の真下に位置するユーコン川のほとりにたたずむ穏やかな州都だ。『赤城 SUN do』では、ホワイトホースと中継をつなぎ、現地の神秘的なオーロラをリアルタイムで赤城神社の空に灯す。
ユーコンは大自然による神秘で溢れている。極地方の夜空を彩る幻想的なオーロラは、太陽と地球のせめぎ合いから生まれる惑星規模の現象だ。氷河を抱いて峻立する山々、大地をゆったりと流れる大河が悠久のときをしのばせる。〈ウィルダネス〉と呼ばれる手つかずの自然が州土の約8割を占め、人間より野生動物が土地の主役となっている。一年の半分が冬となる厳しい環境下でも、生きものたちは〈食う食われる〉という生〈せい/なま〉のダイナミズムを繰り広げながら、いのちをつないでいる。
いのちのダイナミズムは、西洋化された現代社会とは明らかに違う、大きな流れのメトロノームを刻む。この土地に生きる先住民は、そのリズムを敬いながら、自然とともに狩猟採集生活を営んできた。
自然を敬うこと、祈りを捧げること。生きものの生命をいただくこと、魂は自然に還すこと。恵みを平等に分かち合うこと、助け合うこと。先住民の教えは、現在も、古き良きカナダの面影としてあらわれ、互いに助け合い、分かち合う精神が、良質な人とのつながりとしてユーコンの人たちに息づいている。
土の匂いや感触、木肌の触感、鳥の声–––感受性を通じて働きかけてくるこれらの感覚は、情報として理解する世界から、世界を混じりけなく、それでいて深く、リアリティの中でありのままにその存在を受け入れている。この感覚が、自然と分断された世界の脆さ、はかなさへの気づきをうながし、共生の時代を生きる私たちへのヒカリの灯火となってくれるだろう。
Text by Nozomi Suzuki