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【レポート】議員と考えよう!私たちの政治 PART2

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10月21日のトークライブ「議員と考えよう!私たちの政治(PART1)」に引き続き、11月18日にPART2を開催しました。

南ちはる榛東村長、小川あきら県議会議員の注目を集める2人が登壇。ナビゲーターはPART1に引き続き、大学生2名が担当し、登壇者と熱いトークを展開しました。

「政治を身近に感じてもらうためにはどうしたらよいのか」をコンセプトに、ナビゲーターがトークテーマを考案。また、会場参加者による挙手やクジ引き、スマホアプリ”slido“による質問も展開されました。

自身の子育てから、ジェンダー、若者の政治参加まで、さらには「これからの群馬県」についてまでのトークライブの模様をお届けします。

【登壇者】

 ・南ちはる(榛東村長)

 ・小川あきら(群馬県議会議員)

【ナビゲーター】

 ・山口朔矢(高崎経済大学)

 ・後藤亜由水(お茶の水女子大学)

テーマ:政治活動について

山口朔矢(以下 山口):ご自身のプロフィールといま力を入れていることを教えてください。

南ちはる(以下 南):26歳で村会議員になってから17年目に村長となりました。村議の時に様々な政策を提言してきましたが、まだ実現していないこともたくさんあります。それを踏まえ、村長としての新しい公約を任期の4年間でどこまで実現できるかが、今、力を入れていることです。

小川あきら(以下 小川):現在4期目の県会議員を務めさせていただいています。最初に県議選にチャレンジした時は、28歳の女性、しかも県外出身ということで、珍しく思われていました。それから13年たち、政治の世界もどんどん変わってきましたが、女性のDV被害者支援、児童虐待など、人権に関わるテーマに一貫して取り組んでいます。また近年は、障がい者や高齢者の福祉にも力を入れています。

後藤亜由水(以下 後藤):slidoという、ネットのコミュニケーションツールを使い、会場参加者の政治に対するイメージをあげてもらいました。「難しい」「男性政治」「古い」「女性が少ない」などのイメージが多いことを、どう思われますか。

小川:国政に関するイメージが多いですね。県議会は、若返りが進んでいます。私が1期目の時は60代の方が多かったのですが、現在は40代、50代の方が増え、10歳くらい若返ったイメージがあります。政治は自分とは遠い、難しいというイメージがあるみたいですが、県会議員は身近に感じてもらえるように、分かりやすくなるようにと活動しています。しかし、なかなか伝わらないのかもしれません。もっと身近に感じてもらえるにはどうしたらよいかを、今日、この会を通じてやりとりさせていただきたいです。

:榛東村議会はその時によりますね。この春、私が議員辞職した時点では、榛東村議会は12人中4人、3割以上が女性という、今までにない高い数字でした。皆さんが抱くイメージは、マスコミを通じて発信されるものが多く、現場とは少し違っているかもしれません。

後藤:政治家になろうと思ったきっかけと、やりがいを感じることを教えてください。

:選挙権を持ってからは、欠かさず選挙に行くことが、私が唯一できることだと思っていました。20代前半の時には、まさか自分が議員や村長になるとは思ってもいませんでした。20代前半の頃、榛東村のボランティアグループで、若い仲間と一緒に活動していました。村議会議員の補欠選挙があった時、そのグループの仲間から推されて立候補しました。やっていくうちに、やりがいがあったのでずっと続けています。

小川:若い頃は政治には全く関心がありませんでした。群馬で弁護士となり、困っている人の力になりたいと思った時、行政の力が大きいと感じることが多々ありました。例えば、DVの被害者を保護してもらいたいと、弁護士会からぐんま男女共同参画センターにお願いしても、なかなか思うように進みませんでした。また、リーマンショック直後に、返済のいらない奨学金制度を作って欲しいと弁護士会から要望を出したのですが実現しませんでした。外から言っても変わらないのだとやきもきしている時に、議員になって変えるという方法もあるのだと弁護士の先輩に教えていただき、それがちょうど県議会議員の選挙の時でしたので、やってみようと立候補しました。

山口:南さんの、選挙に欠かさず行くという感覚はどうやって養われたのでしょうか。

:親族に政治家はおりませんが、父も祖父も国会議員の支援者でした。家の中に議員のポスターが貼られていて、会合があれば出かけていくという環境にいましたので、選挙があれば必ず投票に行くという感覚が養われたのだと思います。

後藤:政治家としてやりがいを感じる時はどういう時でしょうか。

:市町村は、住民に直結するサービスを提供しています。議員になり、住民の方が喜んでいる姿を見て、議員の仕事は大事なことだと改めて感じました。顔が見える関係の中で、政治を毎日進めていけることが私にとってのやりがいです。

小川:目の前の困っている方が笑顔になってくれると、やりがいを感じます。目の前にいる人からダイレクトにお話を聞かせていただき、伺ったことをひとつひとつ変えていけるのが地方自治体の良いところだと思います。一気にすべてを変えられるわけではないので、悔しい思いもたくさんありますが、市民の皆さんと一歩でも進めた時は嬉しいです。

山口:小川さんが弁護士としてDVの保護を依頼をした時よりも、議員になって保護を依頼したほうがスムーズに進みましたか。

小川:弁護士の時は、女性相談所の体制が十分ではありませんでしたが、現在はDVにしても児童虐待にしても、まずは保護するという体制が全国的にも整いつつあります。しかし、非正規で働いている相談員の方の待遇がまだまだ低いので、引き続き改善していく必要があります。給与の基準は、都道府県の最低賃金と関わっているのですが、群馬は関東で一番低い最低賃金です。相談員の待遇というピンポイントの改善だけではなく、給与ベースの改善が必要だと思います。

後藤:全ての人の意見を反映することはできないというジレンマを、どのように考えていますか。

:意見を聞いた上で、その人だけの意見なのか、ほかの人もそう思っているのか確認をとります。きっかけをいただいた方の話を基に、いろいろな意見を受け止めた上で、実態や課題を見つけ、次に繋げていくことが大事だと思っています。

小川:様々な方から相談を受けますが、個人の問題である場合と、全体の制度に関する問題、また解決することで地域全体のためになるという問題もあります。例えば、家の前の道路がでこぼこしていて家に出入りしにくいから修理して欲しい、という相談は受けられません。しかし、横断歩道の白線がかすれていて子どもたちが危険だ、という場合には自治会と相談し、解決のために動きます。個人の利益のためでなく、地域全体のためになるかどうかが重要です。困っている方を見つけるのは、議員の力だけでは難しいため、自治会や民生委員の方などさまざまな立場の市民に力をお借りします。

テーマ:ジェンダーについて

山口:ジェンダーは様々な領域に絡むテーマですが、ジェンダーの中で気になる課題はありますか。

:取材を受ける中で、子育ての両立はどうしていますか、夫がどこまで協力してくれますか。という質問をされることが多くありますが、協力という言葉にすごく違和感があります。私の中では、できるほうが育児をするという、分担というスタンスで育児を行っています。保育園のお迎えも行ける方が行きますので、男性は育児に協力という言葉は違うと思います。

山口:手伝うよ、と言ってしまう方がいらっしゃいます。日常で積み重ねられてきたジェンダーバイアスがたくさんあると思います。

小川:政治の世界は、ステレオタイプの年配男性議員がまだまだ多いように感じます。女性や障害のある方、外国にルーツを持つ帰化した方などが議会に入っていくということが、多様性を作っていくためには重要だと思います。私は独身で子どもを育てていませんが、子育てについて思うところがあります。経験しているかどうかで線を引きがちですが、自分とは違う人への共感や想像力のほうが大切です。性別の違い、子育てをしているかどうか、障がいのあるなしなど、自分とは違う人のことを考えることが、これから大事な要素ではないかと思います。

山口:小川さんは、13年前に政治の世界に飛び込んだ時、社会全体のジェンダー平等の感覚が今より薄かったと思います。女性としての大変さはありましたか。

小川:20代の若い女性に何ができるのかと、当時は皆さんから言われました。議会に入った時も宇宙人がやってきたという感じで、先輩の男性議員はどうやって取り扱ってよいのかわからないようでした。今は20代、30代の方で全国的に活躍している方も多いですし、世界では30代の首相もいます。年齢とか性別を超える方向に、世の中は進んでいるのではないかと思います。

後藤:小川さんの取り扱いに困っていた男性議員の方々とは、今はどのような関係でしょうか。

小川:私は関心のあるテーマについて、よく調べ、自信を持って発言します。そういった議会での活動を通して、男性の先輩議員も、自分たちと同じだということをわかってくれたようです。議員はみな同じ立場ですので、自分のやりたいことをやりぬくことで認めてくれます。

後藤:議会に入ってしまえば、会社勤めよりも、性別や年齢で序列がない対等な場所なのですか。

小川:序列は感じたことはないですし、私自身、女性の視点に縛られていることもありません。しかし、貧困対策として生理用品を無料配布する話題など、女性がテーマのものは女性が質問したほうが良いと言われたことはあります。そういった点では、まだまだジェンダーというものが残っています。男性のほうが女性に気を遣ってくれているのでしょうか。コーディネーターの山口さんはどう思いますか。

山口:育った環境やまわりの友達などによると思います。私は男女関係なく話をしますが、社会全体を見回してみると、男性が触れにくい話題というのは片手に収まらないくらいあると思います。

南さんにお伺いしますが、子育てと村長を両立することの、大変さとやりがいについて教えてもらえますか。

:仕事をされている方は、男女関わらず、同様の課題を抱えています。例えば、朝に子どもの熱を測り、平熱でよかった、という気持ちはみんな同じだと思います。私ひとりで子育てができるわけではなく、家族を頼りにしています。明日をどう乗り切るか、今週をどう乗り切るか、夫とよく相談をしていますが、思う通りにいかないのが子育てです。

我が家の子どもは、5歳と2歳ですが、時間があるときには、子どもを抱きしめる時間を大切にしています。また、それが私のエネルギーにもなっています。子育てと仕事のバランスを取っていますが、子育ての大変さを実感しています。

山口:村長としての大事な予定がある日に、お子さんが高熱を出してしまった場合はどうするのですか。

:まずは夫と相談しますが、二人とも難しい場合は私の母にお願いします。熱が出た子どものお世話を誰がするのか決めるのは大変なことで、これは村長ではなくても、みなさん同じだと思います。とはいえ、ほかのお母さん方と話をすると、子どもの熱が出た時のお迎えはどうしてもママになってしまう、と言っています。子育ての負担が女性にかかっているのが日本の現状だと感じます。

小川:議員は夜の会議や会合が多く、また視察などで数日間出かけなければならないことが年に数回あります。その間は、パートナーや親などが支えてくれているのが現実のように見受けられます。シングルで子育てをしている議員は、誰に子どもを見てもらえばよいのかという悩みを抱えている方も、少なくないと思います。

後藤:仕事に関わらず、育児との両立は大きな課題です。女性の政治参加を進める上でも、政治の分野で子育てと両立できるように、様々な試みを行っていくべきだと思いました。

テーマ:議会と選挙について(会場からの質問)

参加者:議会改革についてどう考えていますか。

:議長の時に第一子を出産しました。議員は労働者ではないので、労働基準法が適用されないため、産前産後にどのくらい休んでよいのか悩みました。そこで議会のほうで、産前6週、産後8週休みを認めるというふうに規則を改正してくれました。復帰後は子どもを預けたのですが、子どもが哺乳瓶を嫌がってしまい、3か月くらいまで哺乳瓶から飲むことができず、私が帰るまでずっと泣いているという状況でした。授乳がとても大変でした。そこで、第二子出産予定の時は、私の1か月後にも出産予定の議員がいましたので、議会でこの課題を共有し、話し合いました。労働基準法を参考にして、子どもが1歳になるまでの間、育児時間として休憩を取れるように会議規則を改正しました。議員活動を続けながら、子育て、授乳をできるようにしようと、議会全員が賛同してくれました。これもひとつの議会の改革です。全国的に見ても取り組んでいる議会がないということで、内閣府でも「政治分野に係る男女共同参画の推進に向けた事例集」に取り上げてくれました。

これだけではなく、議会にはたくさん課題がありますが、過半数の議員が賛同しないと改革は進みません。そのためには、対話や人間関係、日ごろからのコミュニケーションが必要です。また、議会としてやってみようと思うことが大事だと思います。

後藤:議会改革は大切だと思いますが、群馬県議会で居眠りする人やヤジをとばす人もいますか。

小川:県民の方が傍聴に来て注目してくださると、寝る方も減ってくると思います。議会の中から改革することも必要ですが、県民の目も大切だと思います。県議会では、国会のようなヤジはあまりないのですが、隣の人と関係のないお喋りをする人はいます。市町村議会のほうが厳粛なイメージです。

参加者:低投票率についてどう考えますか。また、箔付けがないと当選できない、もしくは当選しても議員活動が難しいと考えている人が多いのではないかと思います。その考えをどうしたら払拭できると思いますか。

:私は計6回選挙を経験していますが、やるたびに投票率が下がっているなと感じます。投票率を上げることが課題だと思うのですが、投票率が低くても、一票の重みを背負って活動をしています。選挙は大事だと思います。

山口:群馬県議会選挙の投票率の推移ですが、昭和22年は90%以上、令和5年は40%を切っているような状況です。

小川:投票率は上がって欲しいです。有権者の方が、政治に関心がないわけではないと思うのです。投票率が上がらないのは、誰がなっても変わらないのではないかと思われているところもあるのではないでしょうか。しかし、村長が変われば村も変わるように、県議会でも、この春、女性の議員が7名になり、取り扱うテーマも変わってきていますので、選挙は大事です。

出馬する人に箔がないと当選できないからと出馬を諦めている人がいる、という質問がでました。私も最初、同級生とか親や仲間がまわりに誰もいなくて、心もとなかったです。でも、ドラクエのように共感してくれる人が増えてくれば、議員になることは誰にでもチャンスがあります。逆に、近くに知り合いが誰もいなかったので、出馬に反対されなかったともいえます。しがらみがあるほうがチャレンジしにくいということもあります。

:選挙の届け出の日に、急遽、立候補することが決まり、親には報告しないまま選挙の届け出をしました。無投票で当選が決まった後に事後報告をしたのですが、先に親に相談していたら、いろいろと言われていたかもしれません。

テーマ:若者と政治(slidoからの質問)

山口:slidoで皆さんの関心が高いのが、若い人の投票率が低いことです。若者に向けて何を訴えたいですか。

:1人1票のため、1票の大事さを感じることは難しいのですが、若い人が投票に行くだけでなく、政治に興味を持ってもらうことが大切です。興味を持ったら、身近な政治家と話をしてください。若い人が何を考えているのか、この地域をどのようにしたいのか、私もすごく興味がありますので、話を聞きたいです。自分の意見を言ったところで反映されないと、諦めている方がいるとしたら残念なことです。すぐには実現しなくても、政治の中にどう反映していこうかと政治家は考えてくれるはずです。誰がなっても変わらないと言うよりも、変えるために行動する、勇気を持って発言することが大事だと思います。

後藤:小川さんは、高校や大学に出向いて話をしているそうですが、若い方は政治に興味がないという感覚を持ちましたか。

小川:県議会では、大学生と意見交換会を行ったり、高校生がガチンコで質問したりする機会を設けていますので、県議会議員と大学生、高校生の距離が縮まってきているように思います。若い人は世の中や自分の将来をよく考えていて、みんな政治に関心があると思います。若い人の投票率が低いというのも、最近始まったことではなく、ずっと昔から、若い世代の投票率が低く、年齢が上がるにつれ投票率が高くなるのは変わっていないと思います。今の、60代、70代の方は投票率が高いのですが、20代の時は投票率が低かったはずです。最近の若者は政治に関心がなくてだめだと言うと、ますます若者が政治から離れていってしまうと思います。若い人の考えも、もっと世の中に必要なのだと、こちら側の歩み寄りも必要なのではないでしょうか。

行政がいろいろな計画を立てる際に、市民の代表の方を呼んで意見を言ってもらうのですが、来てくださるのは、さきほど話がでたような箔がついている年配の方々ばかりです。そういうところに、思い切って若い方や女性を入れて、若い人の意見も反映されるということになれば、若者も政治に関わる機会が増えてくると思います。榛東村はそうしているのですよね。

:審議会の委員を決めるときに、様々な世代が入ることと、男女の比率をほぼ半分にして欲しいと職員に伝えています。今まで通りですと、充て職で委員を決めてしまうことが多いのですが、変えていこうとしています。

後藤:参加者の方にお聞きします。自分が20代の時に、必ず投票に行くようにしていた方は手を挙げてください。

~大多数の参加者が挙手~

後藤:多いですね。20代の頃に政治に関心を持つと、年をとっても関心を持ち続けられるということですね。

山口:市町村審議会の女性の割合というデータがあります。47都道府県のうち、群馬県は最下位です。

小川:群馬県は女性を登用しようと頑張っています。市町村のほうが、審議会委員の割合が年配の男性に偏っているのではないかと思います。

後藤:県の審議会については、群馬県は21位なので、県と市町村だと差がありますね。

山口:(会場内でのクジ引きによるテーマ)引いていただいたテーマが、若者の政治離れです。

もし仮に、若者が政治に関心を持たないと、どんな社会になってしまうのでしょうか。想像の範囲で教えてもらえますか。

:若者が政治離れしているとは言いきれないと思います。投票率が低いというのは、大学とかで他県に行ったりして、物理的に投票できない人が多いということもあります。必ずしも、政治離れをしているわけではないのでは。立候補する若い人も増えてきています。

小川:シルバー民主主義と言うのですが、若い人の投票率が低いと、選挙前に投票率の高い層に受けのよい政策が行われ、その結果、若い人への投資が減ってしまうと言われています。これは国の選挙のことですが、日本全体で見ると、日本はほかの国に比べて、子育てや教育の予算が大変少ないです。若い人達の意見をもっと取り入れたほうが、若い人に本当に必要な予算や政策が生まれてくる可能性が高いと思います。若い人の投票率が低いから、若者へ向けた政策をしないわけではありません。議会で私たちも一生懸命考えています。

しかし、年配の方が集まって、若い人の政策はこれだと考えても、実際のニーズにあわないかもしれません。予算をつけて事業を行っても、参加者が誰もいないということになってしまうのです。若い人が求めているものを取り入れていくことは、大事だと思います。

後藤:若い人に向けた政策というのは、若い人以外にも効果はあるのでしょうか。

小川:基本的には、高齢の世代を支えるのは現役世代やこれから生まれてくる子ども達ですから、若い人に投資をするということは、全体に対して意味があることだと思っています。

:榛東村は、赤ちゃんから高齢者まですべての人に優しい村づくり、と私は言っています。みんなにこの地域に住んでよかった、と思っていただきたいので、どこかの世代が不利益になるのではなく、バランスがとれた政策を行っています。

後藤:世代ごとに求めるものは違ってくると思うのですが、その辺りはどのようにお考えですか。

:政策はひとつだけではなく、様々な分野でいろいろな事業を行っています。それらを全部見た上で、今、必要だと思う政策を、住民の皆さんや議会の意見を聞いた上で決定しています。ひとつの政策がすべての世代で使えるようにするにはどうしたらよいのだろうか、という視点も必要かと思っています。

後藤:世代ごとではなく、分野ごとに課題があるため、年代に縛られるということはそれほど気にしていないということでしょうか。

:それぞれの年代からの声を受けて、予算を決めていきます。政策を実行し、課題や時代の変化によって、その政策を変えていきます。

テーマ:これからの群馬(slidoからの質問)

山口:(slidoの投票による質問)投票を一番集めたのが、「これからの群馬」です。

小川:千葉県出身ですが、たまたま司法修習の配属先が前橋になりまして、とても気に入ったので、群馬に住むことにしました。それだけ群馬は住むのに素晴らしいところですし、県外出身の人も受け入れてくる懐の深さがあります。群馬で生まれ育った人だけでなく、県外の人からも選ばれるようになって欲しいです。

群馬の魅力はたくさんあるのですが、群馬がほかよりも遅れているところもたくさんあります。最低賃金の問題や障がいのある方への取り組み、また、社会に出るときに重くのしかかる奨学金返済の対策など、様々な課題があります。隣の栃木県では、栃木に就職した方には最大で150万円まで奨学金返還支援制度がありますが、群馬県の場合は企業と連携してマックス36万円です。群馬県がいろいろな人に選んでもらえる、また群馬に戻ってきてもらえるために、群馬の良さをアピールしながら、もっともっと群馬の課題を改善していきたいです。中にいるとわからないのですが、比べると見えてきます。都道府県の中で、群馬が一番になっていきたいです。

山口:群馬県は探せば、たくさん魅力がありますよね。

:35市町村が集まっての群馬県であり、県内の市町村長と話をすると、皆さんが、我が市、我が町、我が村を本当に良くしようと思っています。それぞれの市町村が輝くことが、群馬の魅力になると思います。群馬県と協力しながら、大きい市も小さい町村も輝いていきたいです。 

コロナ禍で群馬に移住した人からは、災害が少なく、東京へのアクセスもよくて、こんなに良い場所はないと聞きました。群馬にいると魅力がわからなくても、県外の方の視点は違うので、そういった意見を聞きながら発信をしていきたいと思います。

参加者の方の感想

40:40代ですが、同じ40代の方が活躍しているのを見ると本当に嬉しいです。

10:私は学校で群馬の選挙について調べているので、参加しました。若者は選挙に関係ないと思っている人が多いと、自分で勝手に決めつけていたところがありました。これからの群馬をよくするためにいろいろなことを学んでいると知り、すごいと思いました。

登壇者・ナビゲーターの感想

山口:PART1も満席でしたが、本日はPART1を超える方々にお集まりいただき、本当にありがとうございました。6月くらいから、Zoomで亜由水さんと何回も打ち合わせをし、ずっと考えてきました。政治を扱うということで難しい部分はありましたが、今日、皆さまが様々な意見を出してくださり、南さん、小川さんが切れ味鋭く率直に答えてくださったので、良い会になりました。またこういう機会がありましたら、私も参加させていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

後藤:5月から半年くらいかけて、議員さんや、県、大人の方にサポートしていただき、いろいろな方にお世話になりました。私はチャレンジングなことが好きで、新しいことには希望があると思っていますし、若者の政治参加に拘りたい気持ちがあり、PART1とPART2を企画しました。しかし、若者だけではない世代の方も来てくださいました。皆さん20代の頃から政治に関心があり、今のお年になってもここに参加してくださっているのを見ると、私は若者しか見えていなかったのだと思います。それは、私が若い世代だからなのかもしれません。もっと上の世代の方との交流が必要だと思いました。ここに来てくださった方の中には80代の方もいらっしゃるということですが、一緒に政治について考える、あるいは若者の声を受け止めたいという気持ちで参加してくださったのだと思いました。若者同士で協力していくのではなく、いろいろな世代の方とお話をし、勉強させていただきながら、これからも群馬県のことについて考えていけたらよいなと思いました。今日は来ていただき、ありがとうございました。

:本日は本当にありがとうございました。おふたりの進行が本当に素晴らしかったです。難しいテーマが多かったのですが、皆さんからの質問もいただき、私も改めて考えさせられる部分もありました。私たちの政治というテーマですが、政治に対して興味をもってもらえるように、しっかりと取り組んでいきたいと思います。質問等がある方は、村のホームページに村長への手紙というコーナーがありますので、気軽に書いていただければ、回答させていただきますので、よろしくお願いいたします。小川県議と一緒に参加させていただき、ありがとうございました。

小川:皆さん、ありがとうございました。いつもの集会やイベントでは固い政治の話が多いのですが、学生が企画をしてくれたということで、今日はすごく柔らかいテーマになり、皆さんとの距離が縮まったように感じます。スマホを使ったslidoは面白いですね。皆さんが書き込んでくださった政治のイメージも視覚的にわかりました。若い人が加わることで新しいチャレンジが増え、政治の見え方、見せ方も変わっていくので、これからもいろいろな場所で続けていってください。また、先ほど感想を言ってくれた10代の方は学校で選挙のことを勉強しているということですので、地域の方との交流を企画してください。みんなが参加して地域のことを考えることが大切なので、こういう機会が増えるとよいと思います。

今日、参加してくださった方々は、政治に興味のある方が多いと思います。もっと、質問をしてみたい方もいらっしゃったでしょう。こういう場所が少ないので、政治家が遠い存在であったり、政治がわからないということもあるのではないでしょうか。市民の方が気軽に参画をして、議会に提案する、政策に反映してもらう、そういった民主主義の根本を、今日の会では改めて考えさせられました。とっても素敵な機会を作ってくださって、ありがとうございました。

登壇者

小川 晶 前橋市長(元群馬県議会議員)

南 千晴 群馬県榛東村長